どうも、ちまたきです!
この前おばあちゃん家に行って、いらないお皿をもらってきました。
すると、下の写真のようなひびのような細かい模様が入っていました。
一見割れているのかと思ったのですが、裏面はひびが入っていないんです。
これって、割れてるの?割れてないの?
どういう現象なのだろうと思い、調べてみました。
結論から言うと、貫入(かんにゅう)という現象で、ひび割れているわけではないようです。
今回は、貫入について詳しく調べたのでまとめてみたいと思います。
貫入(かんにゅう)とは何?
陶器や磁器の表面に入った細かいひびのことを貫入(かんにゅう)と言います。
焼いた窯から出した時の、温度差によって貫入ができるそうです。
日本や中国では、貫入を美しさとしてとらえていることが多いのだとか。
そのため、あえて貫入を入れている作品もあります。
一方で、洋食器では不良品として見られるために、いかにして貫入が起きないようにするかという技術が発展しているそうです。
貫入を味として見るか、不良品として見るかは人それぞれということですね。
今回おばあちゃんからもらったお皿はくまさんの絵柄があるので、味わいとして感じるには少し無理があるかもしれませんね…
貫入が入っているからと言って、割れているわけではないので使っても問題ありません。
気にしないよ~という方はそのまま使っても危なくないですよ。
貫入が起きる原因・仕組みは?
貫入がどういうものかはわかっていただけたかと思います。
では、ここからは貫入がどうやって起きるのかという仕組みを解説していきます。
まず、物質は熱を加えると膨張し、冷やすと収縮するという性質があるのをご存じでしょうか?
理科の授業で、「鉄の輪と鉄の球を熱したときと冷やしたときで通ったり通らなかったりする」という実験を覚えている方もいるのではないでしょうか?
このように、温度変化によって物質は多少の誤差が生じます。
この現象を、熱膨張と言います。
陶器・磁器は、素地の上に釉薬というものでコーティングされています。
この素地と釉薬は、それぞれ違う物質になるので、収縮率も異なります。
例えば素地が10縮むところ、釉薬が20縮むとしたら、一番表面に塗ってある釉薬が素地よりも縮んでしまうので亀裂が入ってしまうのです。
この時に起きた亀裂が、貫入になります。
それぞれ縮む力が違うから、亀裂が入ってしまうんだね!
ひび割れと貫入の見分け方!
このお皿に入っているひびは、ただのひび割れなのか、貫入なのかわからない!という方もいるかもしれません。
一番簡単な見分け方としては、表裏を見て
- 両面に同じ亀裂が入っているならひび割れ
- 片面だけ、または違う亀裂であれば貫入
また、貫入のひびは細かいのが特徴です。
一本だけ大きくひびが入っている場合は、割れているひびの可能性があるかもしれません。
家にある陶器を探していたら、結構あった
今まで気にしたことなかったけど、貫入の入った食器はどのくらい家にあるのだろう?
そう思って食器棚を物色…。
貫入は陶器に多いそうなので、陶器を探していたらいくつか出てきました。
これは湯呑です。
内側に細かく貫入があります。
よくお客さんにこの湯のみでお茶出してたけど、模様だと思ってた…。
これはマグカップ。
マグカップにもソーサーにも、貫入があります。
よ~く見ないとわからないけど、きっとそれが味わいなんですね。
これは父が使っているおちょこ。
これ見た時、たしかにこの貫入は美しい!と思いました。
たまたま出来上がったひびではなくて、ちゃんと考えられたひびなんですね。
これから陶器を見る目が変わりそう…!
【まとめ】片面だけの細かいひび模様なら、それは貫入です!
ここまで、ひび割れと貫入の違いについて解説してきました。
ひび割れと貫入の見分け方は、以下の通りです。
- 両面に同じ亀裂が入っているならひび割れ
- 片面だけ、または違う亀裂であれば貫入
絵柄のある洋食器では、ひびが絵柄を邪魔してしまうので不良品のような見た目になってしまいます。
ですが、気にならないのであれば割れているわけではないのでそのまま使用しても問題ありません。
貫入をあえて使った陶器など、日本や中国では作品として多く出回っています。
これを機に、貫入の食器を集めたくなりました!
あなたもお気に入りの貫入が入った陶器を探してみてはいかがですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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